CME225について
CMEとはChicago Mercantile Exchangeの略称で、シカゴ商業(マーカンタイル)取引所のことです。世界最大の先物取引所で、金利、株価指数、外国為替、農業品の先物と先物オプションの取引を扱っています。
CME225はCMEで取引されている日経225平均の先物を意味します。
CME225には、GLOBEX(電子取引)とPIT(通常取引)の2種類がありとそれぞれに円建てとドル建てがあります。また、限月による違いもあります。
とりあえず直近の限月だけをみても4種類の商品がありますが、この中でもっとも取引量が多いのがGLOBEXのドル建てと円建てです。GLOBEXは24時間の電子市場で通常CME225といえばGLOBEXを指します。
円建てとドル建て
通常、円建てとドル建てでは価格が異なります。
リーマンショック以降、円建てとドル建ての乖離が大きくなり話題になりました。またほとんどの期間において円建の方が安い傾向にあります。
この価格の違い(プレミアム)は以下の式で表されます。
円建プレミアム=株と為替の相関係数×株式の変動率×為替の変動率×先物の残存期間
【先物の残存期間】はSQ通過直後が最大となるので基本的にSQ直後のプレミアムが大きくなりやすいです。
【株式の変動率】や【為替の変動率】といった商品の変動率は大きいほどプレミアムは大きくなります。
これはオプションと同じです。よって、リーマンショック直後は株も為替もボラティリティが大きくなったので、プレミアムも大きくなったことになります。
実際に株価と為替のボラティリティと円建てとドル建の価格差の推移を見てみます。
ボラティリティが増加したときとSQ通過直後に価格差が大きくなっているのがわかると思います。
価格差は、【ドル建て清算値÷翌日の日経平均先物寄付価格−1−円建て清算値÷翌日の日経平均先物寄付価格−1】と騰落率の差にしています。また、ボラティリティは20日標準偏差を使用しています。
■CME225と各データ

円建がドル建に対してプレミアムがつくかどうかは【株と為替の相関係数】で決まります。
【株と為替の相関係数】以外はすべてプラスの指標です。相関係数は−1〜+1の値をとります。
結論から言えば、市場が株高・円高を予測している場合は相関はプラスとなり円建て>ドル建てになります。
一方、株高・円安を予測している場合は相関はマイナスとなり円建て<ドル建てとなります。
考え方は下図を参考にしてください。
システムトレードにどちらの値を利用すべきかといえば、一般論でいけば円建てとなります。
ドル建ては、先物の残存期間や変動率など影響を受ける要素が多いためです。ただし、これらの特徴を理解した上で使用するのであればそれはそれでいいと思います。
また、詳細や株価データは
CME Groupを参考にしてください(英語サイト)。
※最近確認したところサイト構成が変わったせいでどこに時系列データがあるかわからなくなりました。
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